株式入門
株ってなに?
株とはお金に困っている会社にお金を貸す代わりにもらうものです。
お金を貸すということは利子がつくの?
利子はつきません。しかし、利益が出た場合、「配当金」という形で
お金を受け取ることができます。
また、出資した人は「株主」と呼ばれ、出資した割合によって、会社の
経営に参加することができます。
会社が潰れた場合、どうなるの?
会社が潰れた場合、残念ながらお金は返ってきません。
しかし、会社の背負った借金を肩代わりする必要ありません。
あくまで、出資した額内での負担となります。
株はいつから始まったの?
いろいろ説がありますが、一番有名なのが、1602年に設立された
オランダの東インド会社です。
株の売り買いの仕組み
株はある金額で売りたいと思っている人と、買いたい人と思っている人がいた場合に売買が成立します。
オークションと同じと考えていただいてもよいです。
購入したい方が複数いた場合、注文の早い方が優先されます。
注文方法には「指値」と「成り行き」の2種類があります。
「指値」は買いたい・売りたいと思った値段を予め決めておき、その値段になったときに、
購入、売却を行うものです。そのため、必ず購入・売却ができるとは限りません。
どうしても、今日中に買いたい・売りたい場合には、「成り行き」という注文方法を使います。
「成り行き」とは、購入の場合、安い株から順番に、売却の場合、高い株から順番に売買していく方法です。
そのため、状況によっては思いがけない金額で購入してしまう可能性もあり注意も必要になります。
次の表をご覧ください。この表は板と呼ばれるものです。
「板」とは売買注文の値段毎にそれぞれ何株の注文が入っているかを示すものです。
現在の株価は511円とします。
売り |
|
買い |
1000
4000
3000 |
513
512
511 |
|
|
510
509
508 |
2000
1000
300 |
この表から読み取れるのは、
513円で売りたい株数が1000株
512円で売りたい株数が4000株
511円で売りたい株数が3000株
510円で買いたい株数が2000株
509円で買いたい株数が1000株
508円で買いたい株数が 100株
ということになります。
ここですぐに株を購入したい場合、成り行きで7500株購入をしたらどうなるでしょうか?
「成り行き」とは名前の通り、成り行きに任せて買うことです。
購入したい株を安い順に買うことになります。
では、見て行きましょう。
まず、511円で3000株を買うことになります。
511円の株は3000株しかありませんので、もう買うことができません。
そこで、511円の次に安い512円で4000株買うことになります。
まだ、500株買えていませんので、次に安い513円の株を500株買います。
以上で、7500株購入が完了することになります。
ここで、511円だった株価はどうなったでしょう?
答えは513円です。
なんとなくではありますが、株の売り買いの仕組みがわかっていただけたでしょうか?
売り |
|
買い |
500
300
100 |
513
512
511 |
|
|
510
509
508 |
5200
7400
9100 |
売り |
|
買い |
9000
8000
5000 |
513
512
511 |
|
|
510
509
508 |
100
800
900 |
では、どちらの板が購入しやすいでしょうか?また、売却しやすいでしょうか?
答えは、購入しやすいのは2、売却しやすいのは1の板になります。
1のように購入・売却したいと思っている人(株)の少ない板を「板が薄い」、
2のように購入・売却したいと思っている人(株)の多い板を「板が厚い」と呼びます。
また、買いが厚い板を「買い板」、売りが厚い板を「売り板」と呼びます。
厚い買い板の場合、株価は上がり安いでしょうか?下がりやすいでしょうか?
また、株は買いやすいでしょうか?うりやすいでしょうか?
買い板が厚いということは、買いたいと思っている人が多いということです。
株価は上がりやすく、売却しやすくなります。
厚い売り板の場合、株価は上がり安いでしょうか?下がりやすいでしょうか?
また、株は買いやすいでしょうか?うりやすいでしょうか?
売り板が厚いということは、売りたいと思っている人が多いということです。
株価は下がりやすく、購入しやすくなります。
逆に板が薄い場合相場、株価が一気に大きく変動する可能性が高くなり、ギャンブル性が
高くなりがちです。
いつまで経っても、株が売れなかったり、買えなかったりする理由はこの板が原因と
なっていることがよくあります。
株の取引はどこで?
株の取引は証券会社を通して、証券取引所で行われます。
証券取引所とは、「東京証券取引所(東証)」、「大阪証券取引所(大証)」、「名古屋証券取引所(名証)」、
「ジャスダック証券取引所(ジャスダック)」などがあります。
「マザーズ」は「東証」、「ヘラクレス」は「大証」にあります。
株は何歳からはじめられるの?
株はいくらから購入できるの?
株は通常「単位株」で購入します。
株には銘柄によって単位がそれぞれ異なります。
単位は1単位、50単位、100単位、1000単位等があります。
単位が高いほど優良銘柄というわけではありません。
単位がそれぞれ違うんだなと覚えていただければよいです。
購入する場合、
株価 × 銘柄の単位
が必要な金額になります。
株価が同じであっても銘柄の単位が異なれば、購入金額が大きく異なってきます。
「ミニ株」の場合、単位株の10分の1で購入ができます。
株は大損しないのか?
アメリカにおいて、株というのは資産運用の手段として一般的に利用されていますが、
どうゆう訳か日本には
株 = ギャンブル = 損をする
というような、あまり根拠のない図式がかなり定着しています。
なぜそのような図式になったか考えてみたいと思います。
1.ドラマ・サスペンスの影響
ドラマやサスペンスで、株が原因で事件に発展したという話を聞いたのは一度や二度では
ないはずです。ある意味、株に手を出すと大変なことになるというメッセージにも似ています。
このような刷り込みを長い間受けた結果、上記の図式が定着してしまったのではないでしょうか?
2.バブルの影響
バブルの全盛期のときはどんな銘柄を買っても、右上がりに株価が上昇して行きました。
しかし、バブルがはじけると、その反動は非常に大きく、右下がりに下降していき、
40000円あった日経平均も今では四分の一になってしまっています。
バブルの頃に株を購入した方は、いつか株がまた上がってくるのはないと信じましたが、
結果は×。多くの方は今でも「塩漬け」になってしまた株を売りに売れず持っている状況です。
持っている株価が四分の一になったらどう思うでしょう?
ほとんどの人は、株によいイメージを持ちませんね。
3.損をしている人が多い
株は儲かっているひとよりも損しているひとの数が絶対に多いのです。
株は儲かるという話を聞いて、株をはじめてみたけど、全然利益がでない。
利益がでないものだから、辞めてしまう。
利益がでないことを理由に辞めてしまったひとは、株はギャンブル、損をする
と人に話しますが、逆に儲かっている場合、「オレ、すごく儲かっているんだよ。
笑いが止らなくてね。はっはっは。」と大々的に話すことは少ないのです。
4.教育の問題
ほとんどの日本人が知っている資産運用といえば、貯金くらいなものでしょう。
日本では大学へ入る方法は教えても、お金を増やす方法や教えてくれませんでした。
最近、お金に対する教育を行っているという話を聞きますが、それもほんの一部です。
家庭で教えるか、自分で積極的に調べなければ、貯金以外の資産運用について知ること
はできません。単に株について知らないだけで、株は危険だと思っているのではないでしょうか?
結果的に、損をしたひとの話を聞く機会が多くなり、株に対するマイナスイメージが
蓄積されていっただけのような気がするのは私だけでしょうか?
株は危険だと思っているひとの大半は株について知りません。
もし、株についてきちんと説明ができた上で、株は危険と言っているのであれば、そのひとの話に
耳を傾けてみてください。
株は大儲けできるの?
はっきり言います。できます。
方法は2つ
1.ボロ株を狙う
株価が50円未満の会社を買い、高騰を祈ります。
2.高額な資金を用意します。
資金が豊富であれば、利益も豊富になります。
ただし、1についてはかなりギャンブル性が高くなります。
株価が50円を切っているということはいつ潰れてもおかしくありません。
会社が潰れた場合、株価は0円になり、当然資金も一気になくなります。
正当に行きたいのであれば、2の方法を薦めます。
ただし、いきなり大金をつぎ込むのはお勧めできません。
はじめは少ない資金ではじめ、徐々に増やしていく方法が一番長続きします。
ひとつ言えるのは「楽して儲けることはできない」ということです。
株をはじめるにはいくら必要?
ずばり、
10万円
10万円で十分です。というか、10万円にしてください。
10万では儲かる金額も少ないのではと思われた方。
その通り、10万円では儲けはあまりでません。その代わり、損もあまりでません。
では、100万円くらいあったほうがよいのでは?
はい、必ず儲かる保障があれば、100万円でも構いません。
しかし、株の知識もないのにいきなり100万円も投入するのは危険です。
止めてください。儲けたときは多きですが、損したときは大きいです。
いきなり大金をつぎ込むと金銭感覚が麻痺し、冷静な判断が付きにくくなります。
また、大損すれば必ずといっていいほど、株を辞めてしまいます。
もし、忠告を聞かずに100万円投資しようとする方。
失敗するとは言いませんが、失敗する確立は高いのでお気をつけください。
ただし、100万程度なくなっても痛くもかゆくもないないという方は、
止めません。自由にやってください。
株投資のポイントとは?
株で重要なのは自分に合った投資スタイルをできるだけ早く定着させることに尽きると思います。
投資スタイルが定着すれば、投資金額も増やすことができますし、
心理的にも余裕が出てきます。
多くの方は投資スタイルを確立する前に挫折するか、資金がなくなってしまいます。
株投資で絶対に成功する方法は、「あきらめない」ことです。
大学に入るために一生懸命勉強するのに、株についてはあまり勉強しないのはなぜでしょう?
株は楽して儲けることができると思っているのでしょうか?
楽な儲け話には裏があるというように、楽して儲けようとすれば痛い目を見ます。
楽して設けようするひとは、投資スタイルの確立したひとの餌食になるのは目に見えています。
大学に入るために何年も勉強するのに、株で儲けるための勉強をしなくてもよいというのでは
ちょっと変な話ですよね。
しかし、勉強しなくても儲けることができる人はいます。
ただし、絶対数は少ないです。
確実に儲けたいのであれば、株について勉強してください。
楽して儲けようとした場合、多くの場合、株は資産運用ではなくギャンブルになってしまします。
株にも勉強が必要なのです。
もし、勉強したくないのであれば、株をするのは薦めません。
勉強してでも儲けたいという方。
本屋さんに行けば、いろいろなスタイルの投資法の本が沢山あります。
自分に合いそうな投資スタイルを真似てみるのも手でしょう。
はじめはどんな株を買えばよいのか?
すばり、
ミニ株 or 10万円以内で買える株
株は買ってはじめてスタートです。
株価が高い低いは関係ありません。
10万円だろうと、100万円だろうと株を楽しむことに関しては同じです。
ミニ株って
ミニ株は通常の10分の1の資金でできる投資方法です。
メリットは次の通り
1.少額から始められる
10分の1の資金ではじめることができるため、小額の資金ではじめる事ができる。
2.高額株を買うことができる
普通に買ったら100万円以上する株でも、10分の1なら10万円です。
3.リスクの分散
少ない資金で購入できるため、リスクの分散が容易になります。
デメリット
1.指値ができない
ミニ株は、注文した翌日の初めについた金額での売買になるため、
リアルタイムでの売買を望む方には不向きである。
2.銘柄が限られる
ミニ株はどんな銘柄でも変えるわけではなく、各証券会社が認めた銘柄しか購入することが
できません。といっても数百名銘柄から選べる証券会社もあるので、デメリットのうちには
入らないかもしれませんが。
証券会社を選ぶポイントとは?
証券会社を選ぶポイントは、次の通りです。
1.手数料の安さ
2.取引の利便性が優れている
3.情報・ツールの豊富さ
この条件を満足させるのがネット証券です。
ネット証券とは
ネット証券とは、インターネットや携帯電話で注文ができる証券会社のことです。
証券会社に足を運んだり、電話で注文する必要がないため、店舗に置く人員も削減できるため、
手数料が安い証券会社が多いのが特徴。
ネット証券のメリット・デメリット
【メリット】
・手数料が格段に安い
・取引の利便性が優れている(インターネットおよび携帯電話)
・便利なツールが使える
・リアルタイムの取引が可能
【デメリット】
・パソコンや携帯電話がある程度使えなければならない
ネット証券を選ぶポイント
ネット証券を選ぶポイントは何を重視するかによります。
ネット証券のメリットは次のようになっているので、以下のなかでどれを優先するかで証券会社も
決まってきます。
・手数料が格段に安い
・取引の利便性が優れている(インターネットおよび携帯電話)
・便利なツールが使える
ネット証券比較を行っていますので、是非ご利用ください。
きっとお気に入りの証券会社が見つかると思います。
ネット証券の口座開設手順
ネット証券の口座開設は非常に簡単です。
【戦略】
1.口座開設まではまずこれを
1.シミュレーションを使って株の世界を大まかに知る
2.株の投資方法の本を何冊か読み、自分に合いそうな投資方法を模索する
2.投資タイプ診断
3.銘柄選び
銘柄は自分で選んで買ってください。
・雑誌やテレビで薦める銘柄は、薦めた本人が儲けたいために紹介されていることがあります。
そのため、薦める銘柄がその後、どうなったかを掲載・放送しないような場合は信用しないほうがよいでしょう。
・有名企業の株価は上がりにくく、下がりやすい。
・低迷株の株価は上がりやすく、下がりにくい。
情報は多ければ良い?
情報は多ければ多いほどよいとは、必ずしも言い切れません。
一昔前であれば、情報は多ければ多いほどよかったのですが、
これだけ情報が溢れた時代にあっては、情報を集めるよりも、
如何に必要な情報だけを抜き取り、不要な情報を切り捨てるという
力が必要となります。
インターネットでは莫大な情報量を得ることができます。
すべての情報を鵜呑みにすると大変なことになるのは想像がつくと思います。
調べることは非常によいことなのですが、何を何処まで調べるかを明確に決めることができるようにならなければ、
時間だけを無駄に消費するだけになりかねません。
何が必要で、何が不要な情報なのか?何を基準に銘柄を選ぶのか?これを決めて情報収集を行うのと行わないのでは、
得られるものが大きく違ってきます。
単にインプットするのではなく、アウトプットを考慮したうえで、インプットを行うのです。
次に身近にある情報源からの具体的名情報収集方法について述べていきます。
1.新聞からの情報収集
簡単な情報収集として利用できるのが新聞です。
「株をやっている=日本経済新聞の購読」みたいな図式がよく成立しますが、
新聞であれば、基本的にどこでも構いません。
新聞はすべてのページを読む必要はありませんし、すべてのページを読んでいる時間のあるひとは少ないと思います。
新聞を読むにあたって重要なのは、特定の分野を継続して読むということです。
株価を購入するに際に必ずといていいほど利用するのがチャートと呼ばれる、株価を時系列に表示したものです。
チャートを見ると、今後の株価の動きを予想するのに非常に役に立ちます。
このように、株を購入する際に時系列で情報を見ているのですから、得る情報というのも時系列で得たほうが
効果的なのです。
新聞を読むの時間がない方は、ニュースなどの日経平均株価や為替相場を見ているだけでも違ってきます。
日経平均は日本経済の状態を、為替相場はアメリカや日本の経済状態を反映させます。
重要なのは「継続して情報を蓄積する」ということです。
2.インターネットでの情報収集
インターネットで情報を収集を行うととんでもない量の情報を収集できます。
何が必要で、何が不要を判別しているだけでも時間が取られてしまいます。
そこで、利用するのがRSSです。
RSSとは、毎回サイトをチェックすることなく自動的に更新された情報を知らせてくれるもの、と思っていただければよいと思います。
キーワードを指定することで、より必要な情報だけを得ることができます。
また、時間のない方には、最近よく耳にするポッドキャスティングが便利かもしれません。
ポッドキャスティングを利用すれば、通勤時間や通学時間などにも情報を収集できますので、ipodをお持ちの方は是非とも利用してみてください。
ちなみに、ポッドキャスティングとは、ネットラジオをipodにダウンロードして聞くというものです。
ダウンロードも設定さえすれば、後は自動的に行ってくれるので、時間の節約にもなるという優れものです。
ただ、難点として、ポッドキャスティングに対応した株情報やニュースが少ないのが現状です。
今後、株情報に対応したポッドキャスティングが増えて行くことを期待します。
相場の心理学「利は出来るだけ伸ばし損は早めに切る」
この法則は株をやっているひとの中では常識となっています。
しかし、
実際には、利をできるだけ早めに切って、損を伸ばすという、まったく逆のことを行いがちです。
では、なぜそんなことをやってしまうのでしょう?
ひとは利益が出れば、それを早く確定し現実のものとしたいという心理が働きますし、
損が伸びれば、いつかプラスになるだろうと根拠のない期待をするという心理が働きます。
その結果、利をできるだけ早めに切って、損を伸ばし、トータルでマイナスになってしまうのです。
実際に株をやったことがあるひとであれば、少し気持ちがわかるとおもいます。
柄選びもそうですが、株のもっとも難しいところは、こういった心理的な影響が大きいからに他なりません。
シミュレーションで儲かっていても、実際に株をやってみると全然儲からないひとはその典型かもしれませんね。
しかし、心理的な影響というのは、実は根拠がないんですね。
根拠のないひょっとしてが、自分の中で大きくなりすぎた結果、実際の行動に出てしまうのです。
株の世界では、このような心理的な影響を考慮を入れなくてはいけません。
言いかえると、自分の性格というものをしっかりと認識しなければなりませんし、
相場の与える心理を知れば、株をやる上で非常にプラスになると思うのは私だけでしょうか?
それでも心配なあなたへ
はじめのステップとして重要なのはトータルでマイナスにならない投資スタイルを身に着けることです。
自分の投資スタイルが確立できてきたら、徐々に投資金額を増やして行きます。
投資スタイルの確立だけであれば、シュミレーションで練習すればよいと思われるかもしれません。
確かにシミュレーションは非常に有効なツールではありますが、自分のお金を使っていません。
シミュレーションと実際の株取引の違いは自分のお金に影響があるかどうかです。
お金が絡むと、心理的な影響が入ってきて、取引はまったく別物になってしまいます。
といっても、シミュレーションでマイナスであれば話になりませんし、シミュレーションは株の世界を
知る上で非常に重要なことには変わりありません。
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